Noelのドライブ日記
道東編





2001年8月下旬、本州から友達が遊びにきたので、愛車ジムニーくんに乗って一緒に
道東めぐりの旅に出ました。
ここでは、ドライブ三昧だった8月27日(月)から30日(木)までのめまぐるしい4日間を
ご紹介しましょう。
ドライブの道中で撮り貯めた写真はアルバム『Noelの道東めぐり』でまとめてお披露目
していますので、もしよかったら覗いてみてくださいね。
また、道路地図は「北の道ナビ」をご覧くださいな。


☆8月27日(月) 走行距離・・・?

友達は高松空港から羽田経由で飛行機を乗り継いでやってくるので、北海道に到着
したのは夕方6時半頃。
その日家事を淡々とこなしていた私は、北見から30kmほど離れた女満別空港まで車
で向かいに行きました。

まずは旅の疲れをほぐしてもらおう、というわけで、空港を後にした私たちは女満別の
となりまち美幌町の温泉、「峠の湯びほろ」へ。オープンからまだ数年しか経っていない
らしく、とってもキレイで立派な温泉です。
丸太を組んだ大きなドーム型の屋根は見応えあり。お湯はぬるめですがのんびりお湯
に浸かって大きな屋根を見上げてると、のぼせちゃいそう(^^)
小さいけれど露天風呂もあって、火照った体をクールダウンして改めてゆっくりお湯に
浸かるってのはなかなかいいものです。

前日までそれなりに晴れていたのに、急に天候が崩れてこの日は雨模様。美幌温泉
を出た私たちは降りしきる雨の中を一路北見へ。
夕食(というより晩御飯)は生ものを食べたい、というリクエストがあったので回転寿司
の「トリトン」へ。回転寿司といっても、ここはやはり北海道。友達は北の新鮮な素材に
満足してくれたようなので、ホッとひと安心でした(^^)
そのあと、小高い丘の上にある「遊木民族」へ。地元では夜景のスポットとして有名な
ログハウスのレストランで、私たちは2階の窓際の席から北見の夜景を堪能しました。
雨で空気がクリアになっていたのか、この日の夜景はひときわキレイでした(^^)


☆8月28日(火) 走行距離・・・約200km

雨が降ったりやんだりのはっきりしないお天気でしたが、いよいよ本格的なドライブに
出発。この日は道東の名だたる湖を次々と攻略していくつもりだったので、まずは北見
のおとなり津別町のチミケップ湖へ。
ここから先は訪れた場所を箇条書きでご紹介しましょう。

○チミケップ湖(津別町)
舗装されていない山道の奥にひっそりと佇む小さな湖。
この日は気温が低くて霧が立ち込めていたので、何とも神秘的な光景でした。
『13日の金曜日』のジェイソンが出てきそう・・・(^^;


チミケップ湖 オンネトー 白藤の滝


○オンネトー(足寄町)
数ある北海道の湖の中でもいちばん好きなのがここ。
季節や時刻、天候によって湖面の色を変えることから五色沼とも呼ばれています。
私たちが訪ねたときには空一面どんよりと雲っていて、しかも寒風が吹きすさんでいた
ので、いつもは穏やかな湖水が荒々しく波打っていました。
8月だというのにまるで冬が近づいているかのような寒さで、のんびり湖を眺めている
のも辛かったので、湖のほとりに建っているオンネトー茶屋に逃げ込み、そこで足寄町
名物のラワンブキを使った「雌阿寒そば」をいただきました。
ちなみに、ラワンブキは高さ2〜3mに達する大きなフキですが、それを産する足寄町も
スケールが大きく、全国の市町村の中でいちばん広い町なんだそうです。
なお、1ヶ月後に再びオンネトーを訪れたときには素晴らしい青空が広がっていました。
このときに撮った写真はアルバム『秋のオンネトー』でご覧いただけます。

○白藤の滝(足寄町)
オンネトーの近くにある滝。ごつごつとした赤茶色の岩肌の上から流れ落ちるさまは、
雨のせいで水量が増えていたせいかなかなか壮観でした。
森の中にあるので急勾配の山道を歩くのは大変ですけど、一見の価値はありますよ。

○阿寒湖アイヌコタン、ポンション人形館(阿寒町)
阿寒湖は特別天然記念物のマリモが生育する湖として有名ですが、残念ながら私は
この湖にあまり魅力を感じません。道東でも有数の観光地だけに湖畔にはホテルや
お土産屋さんが軒を連ね、自然の素晴らしさを体感することが難しいからです。
でも、お土産屋さんの数は道内でもトップクラスなのではないでしょうか。
アイヌコタンは阿寒湖畔にあるアイヌの人々の集落で、お土産屋さんが並んでいます。
道東で伝統的な木彫りや刺繍を施した土産物を見るなら、ここがいちばん。
「ポンション人形館」も阿寒湖畔のお店。「おねだりきつね」などオリジナルの木彫りの
お土産が手に入るので、この界隈のお店の中ではイチオシです。

○双湖台(阿寒町)
阿寒湖から弟子屈町へ向かう国道241号線沿いにある、ちょっとした展望台。
ここからはペンケトー、パンケトーという2つの小さな湖を見ることができるのですが、
ペンケトーは何となく北海道のカタチに似ているという評判。もともとこの2つの湖は
阿寒湖とつながっていたとか。
売店もあって、私たちはここでじゃがバタを食べました。北海道の味覚というと魚介類
やメロンばかりが注目されがちですが、私がオススメしたいのはじゃがいも。
じゃがいもが主食でもいい、という友達はホクホクのじゃがバタを食べてご満悦。私も
わが意を得たり、とうれしく思いました(^^)

○摩周湖(弟子屈町)
弟子屈町のなだらかな丘や閑静な市街地を横切って山道を登り、霧の摩周湖へ。
「霧の摩周湖」という形容は伊達ではありません。この日は深い霧に包まれていて、
湖の真ん中にぽつんと浮かぶ小さな島カムイッシュがおぼろげに見える程度。屈斜路
湖へと向かう連続カーブの下り道も濃霧に包まれていて、まるで黄泉の国へ向かって
いるかのようでとっても怖かったです(^^;

○硫黄山(弟子屈町)
摩周湖から屈斜路湖へ向かう途中にそびえる硫黄山は、岩肌のあちこちから噴煙を
上げていて、おかげであたりは硫黄の匂いが漂っています。
噴気孔の近くまで歩いていくことができるのでとりあえず登ることに。
寒かったので荒涼とした景観がことさら強調されて見えました。

○屈斜路湖(弟子屈町)
屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖。湖畔の砂湯は、砂浜を掘るとお湯が湧き出る、と
いう変わった温泉。お土産屋さんのそばに湯船のようなものもありますが、衆人環視の
中でお風呂に入るなんて私には無理。この日はデリカシーという言葉の意味も知らない
ような若者たちが独占してはしゃいでましたけど・・・。
それにしても、湖畔で見た雲間から射す落日の光がとっても感動的でした。
ずーっとどんよりとした曇り空の下を走っていただけに感動もひとしお。この日見た景色
の中ではダントツの美しさでした(^^)


屈斜路湖(砂湯) てぃんくる新館(エトワール) 新館の客室(プランタン)


夕方5時過ぎ、屈斜路湖から少し離れたオーベルジュてぃんくるに到着。ここが本日の
お宿です。本館・新館それぞれ4室ずつのこじんまりとした洋風の建物で、私たちは
新館の「プランタン」(フランス語で「春」という意味)という部屋に泊まりました。
なんと、新館には客室に露天風呂がついていて、24時間気軽に入ることができます。
露天風呂といっても、外に面している小さなお風呂という感じで身を乗り出さないと夜空
を見上げることはできませんが、れっきとした温泉。体がポカポカ温まりますよ(^^)
そして、オーベルジュだけに料理が自慢。ディナーは夕方6時から宿泊者全員が本館
の食堂に集まっていただくのですが、なんとフレンチのフルコース。そのラインナップを
ご紹介いたしましょう。
  • 自家製の白パンとオレンジピール入りのパン
  • ホタテとナガイモのソテー(?)
  • コーンクリームスープ
  • オレンジとニンジンとキャベツのサラダ
  • 焼きタラバ
  • 和牛のステーキ
  • ガトーショコラとコーヒー(もしくは紅茶)



料理はどれもこれもみんなおいしかったです(^^)
さりげなく(?)北海道らしい素材を使っていて、本州からのお客さんにもアピール充分。
てぃんくるのお姉さん(オーナーの娘さん。姉妹?)に訪ねたところ、できるだけ手作りに
こだわっているそうで、パンやケーキはもちろんのこと、建物そのものもオーナーご夫妻
よる手作りなんだとか。料理を運んでくるたびにいろいろとお話をしてくださり、細やかな
お気遣いに感激しちゃいました。
一緒にいただいた白ワインもたいへん美味でした。
このオーベルジュてぃんくるにはグランディーちゃんというセントバーナード(♀)がいて、
居間(?)の窓際でのんびりと寝そべっているのですが、体重が80kgくらいあるので
もしもの場合を考えてお客さんと遊ぶことはできないんだとか。せめて写真だけでもと
思ったのですが、残念ながらうまく撮れませんでした(^^ゞ
夜、散歩に出かけたらグランディーちゃんが本館のテラスでぐうぐうと高いびき。図体が
大きいのでその鼻息もすごい迫力でした(^^;


☆8月29日(水) 走行距離・・・約390km

朝早く目が覚めたので、まずは露天風呂でさっぱりとリフレッシュ。
8時からの朝食は意外にも純和食。朝はパン派の私ですが、さりげなく北海道ならでは
の海の幸・ホッケがあったりして、うれしくなっちゃいました。
チェックアウトは10時なのですが、私たちは9時頃に出ることにしました。
その前に友達がてぃんくるのお姉さんと写真を撮りたい、というのでお姉さんに頼んで
一緒に記念撮影しました。お見せできないのが残念です(^^;
オーベルジュテてぃんくるはとにかく素敵な空間でした。またいつか、訪ねてみたいと
思います。

○津別峠(津別町)
てぃんくるを出た私たちは、まず屈斜路湖を一望できるという津別峠へ。
屈斜路湖の周囲にはこの他にも美幌峠、小清水高原に展望台がありますが、津別峠
は360℃見渡せるとの評判なので、とりあえずここへ行ってみることに。
ところが、この日もあいかわらずの曇天で峠は白いもやに包まれ、どこを見てもただ白
一色。なんにも見えませんでした。
峠の中腹からは屈斜路湖を一望することができましたし、帰り道キタキツネと出会った
ので、これでよしとしなくては(^^)

○和琴半島(弟子屈町)
屈斜路湖に突き出した小さな半島。ここは温泉の宝庫で、露天風呂も点在。この日は
肌寒くて散策路をのんびり歩くような気分ではありませんでしたが、ちょっとお散歩して
みました。暖かい日にのんびり歩いてみたいな。

くりーむ童話(弟子屈町)
再び屈斜路湖畔、硫黄山の麓を走り抜け「くりーむ童話」というアイスクリーム屋さんへ。
私はここで5種類のジェラートをトッピングできるスペシャルに挑戦しました。ボリューム
満点のはずなのに、さっぱりした口当たりなのでぺろりとたいらげてしまい、もうひとつ
注文すべきかどうか迷っちゃいました。お客さんがいっぱいで混みあっていなければ、
確実にもうひとつ食べていたかも(^^ゞ

○藻琴山展望駐車公園(弟子屈町)
屈斜路湖の北に位置する展望スポット。
小清水峠の中腹にあり、ここからは屈斜路湖と硫黄山をまとめて見ることができます。
もやがかかっていましたが、晴れた日にはきっと素晴らしい眺めなのでしょう。

○オホーツク流氷館(網走市)
屈斜路湖からどんどん北上し、私たちはいよいよオホーツク海沿岸へ。
目的地の知床半島とは逆方向になりますが、友達の希望で網走へ向かい、お昼頃に
天都山の山頂にあるオホーツク流氷館に到着。
ホンモノの流氷が展示されていて、展示室は常に−10℃以下に保たれているので、
オホーツクの冬の寒さを友達に体験してもらおうと連れて行ったのですが、寒さには
慣れっこの私は涼しいなと思う程度。友達は寒くてたまらん、といった様子でした(^^)

○網走監獄(網走市)
網走の観光名所といえば、何といっても天都山の中腹にある網走監獄。
でも、この日は知床半島をめざしていたので、入口まで行ったものの入場は割愛。
友達には申し訳ないことをしちゃったなあ・・・(^^;

○やまね工房(網走市)
天都山の麓にあるぬいぐるみのお店。フクロウやキタキツネ、ナキウサギなど北海道
内外の野生動物を再現したぬいぐるみが勢ぞろい。オススメはやまねくん。まるまって
冬眠中のポーズも再現できて、とってもかわいらしいんです(^^)
「やまね工房」のホームページはこちら

○小清水原生花園(小清水町)
オホーツク海沿岸に広がる原生花園。ハマナスやユリなどさまざまな草花を見ることが
できます。道路沿いには道の駅さながらの立派な施設もあり、息抜きにはもってこい。
また、ここにあるJR原生花園駅は、日本でいちばん小さな駅。5月〜10月の間だけ、
一日に何本か列車が停車するんだとか。
でもいちばんの見どころはオホーツクの海そのもの。タイミング良くお日さまが雲間から
顔を出し、ポカポカと暖かい陽射しの下、砂浜を歩くことができました。

○山崎菜園 じゃがいも苑(斜里町)
私たちが次に立ち寄ったのは斜里町の市街地のちょっと手前にある、農家が経営する
小さなお店。ここでは北海道特産の野菜を安く食べることができます。
じゃがバタ150円、メロン一切れ200円。その安さとおいしさに、友達はものすごく感激
していました(^^)
他にもいもだんご、とうもろこし、牛乳、メロンジュースなどがあり、店内には旅人たちが
事由に書き込むことができるノートが置いてあるので、大地の恵みを堪能しながら読み
ふけるのも一興。じゃがいもとメロンは地方発送も扱っています。

軽く腹ごしらえをして、いよいよ私たちは知床半島へ。
オホーツク海沿岸をひた走り、ウトロを通過すると、そこはもう野生動物たちの楽園。
知床自然センターを過ぎたあたりから、道路わきのそこかしこでエゾシカが草を食んで
いるのを見かけました。


オホーツクの波打ち際(小清水原生花園) エゾシカの親子(知床半島) 知床の夕陽(知床一湖)


○知床五湖(斜里町)
知床の雄大な自然に囲まれた五つの湖。五つ全部を散策すると1時間ほどかかるそう
ですが、ヒグマの生息地なので、たいていの観光客が歩くのはせいぜい二湖まで。
到着した頃にはすでに夕陽が地平線の向こうに沈みかけており、周囲に他の観光客が
ほとんどいなかったので、私たちは一湖だけを観てそそくさと帰ることにしました。
ヒグマが潜んでいるかもしれない山道を歩くのは怖いのなんの。さいわい私たちが遭遇
したのはエゾシカだけでヒグマと出くわすことはありませんでしたが、途中笹の葉が何度
かガサガサと音を立てていました。あれは何だったのでしょう?
バカみたいにサンダルを踏み鳴らし大きな音を立てて歩いていたので、さすがのヒグマ
もびっくりして逃げていったのかも(^^;
晴れた日には一湖の湖面に知床連山が映り見事な景観なのですが、この日は厚い雲
に包まれていて全然見えませんでした。もっとも、沈みゆく夕陽が山とは反対側の稜線
をオレンジ色に染め上げ、それはそれでなかなか素晴らしい光景でした(^^)

○オシンコシンの滝(斜里町)
知床五湖を後にした私たちは、もと来た海岸線(国道334号)を辿りオシンコシンの滝へ。
日本の滝百選のひとつで、80mもの絶壁を流れ落ちるこの滝は、二股に分かれている
ことから「双美の滝」とも呼ばれていているとか。
国道から急な階段を登っていくとすぐ傍でその姿を見ることができるのですが、絶えず
冷たい水が流れ落ち、水しぶきもかかるので、ここは夏でもひんやりとしています。
もっともこの日は、そうでなくても肌寒かったのですが(^^;

この日予定していた観光スポットは、これですべて終了。あとは北見へ帰るだけです。
国道をひた走り、北見にたどり着いた頃にはもう夜9時近くになっていました。
晩御飯は「Caf'e Not Caffe」にて。昼食を抜いておなかがぺこぺこだったので、大好物
のフレッシュトマトのぺペロンチーネとバジルピッツァを注文。とってもおいしかったです♪


☆8月30日(木) 走行距離・・・468km

いよいよ道東を離れて道央へ。
めざすは新千歳空港。友達が31日の朝に帰るので、空港ターミナルビル内にある三井
アーバンホテルに泊まるのです。
9時半頃に北見を出発。石北峠を越えて、雄大な山々が連なる大雪山国立公園へ。
連日どんよりとした雨雲が空を覆っていましたが、峠を越えたあたりから素晴らしい青空
が広がり、ようやくお天気が回復したんだと思うと心も晴れ晴れ。
ところが、うねうねとした山道を下り長いトンネルを抜けると・・・なんと雨。
層雲峡の素晴らしい景観もこれでは台無しで、心底がっかりしてしまいました。
石狩川に沿って峻険な断崖絶壁が続く層雲峡。峡谷にはいくつもの滝があり、私たちは
特に見応えのある銀河の滝、流星の滝を見ることにしました。
この2つの滝は女滝・男滝とも呼ばれていて、銀河の滝120m、流星の滝は90mもの
絶壁を流れ落ちているのですが、どういうわけか感動はイマイチ。連日素晴らしい景色
を眺め続けていたせいでしょうか・・・。
しばらくすると雨が上がったのでホッとしていると、前方の路面がまるで境界線を引いた
かのように濡れているではありませんか。見れば行く手に激しい雨が。
次の瞬間、車は境界線を越えてどしゃ降りの中へ突入。自然の脅威(?)を目の当たり
にしたような気がしました。
激しい雨の中を走り抜けたあとは、ときおり小雨に出会う程度。でも、どこまで走っても
パッとしないお天気でした。

山を下りた私たちは、上川町の北の森ガーデンでひと休み。
ここにはアイスパビリオンという氷の美術館があり、館内は常に−20℃以下に保たれて
いて、氷に包まれた極寒の世界を体験することができるとか。私は興味津々でしたが、
友達が屋外でも寒そうにしていたので、残念ながら見学はパスすることに。
ここで軽く食事をしたあと国道39号線をひた走り、いよいよ旭川市内へ入りました。
旭川はひとつの分岐点。高速道路を使うべきか否かの選択を迫られた私は、大嫌いな
高速道路を避けて国道12号線を進むことに。ところが、これがとんだ失敗でした。
やたら混んでいたのでなかなか距離をかせぐことができず、岩見沢から国道234号線
に入り、長沼町のマオイの丘公園に寄り道して、新千歳空港に到着したのは夕方6時
頃のこと。
高速道路を使っていればもっと早く到着していたのにと悔やんだものの、今さらどうしよう
もありません。ホテルにチェックインしたあと、休む間もなくさっそく行動開始しました。

再び車に乗り込んで、いざ札幌へ。
夕方なので家路を辿る車が多くて難儀しましたが、札幌市内に入った私がめざしたのは
実家。荷物をいろいろ積み込んでいたので、まずは身軽になりたい、というわけです。
実家に到着するとあずきとマシュウがお出迎え。あずきはあいかわらずクールな視線を
向けていましたが、マシュウは小躍りして喜んでくれました(^^)
でも、のんびりしてはいられません。はしゃぐマシュウには気の毒でしたが、用を済ませて
すぐに出発。おなかがすいていたので、まずはラーメン屋さんへ行くことにしました。
友達がはるばる札幌へやって来たのですから、おいしいラーメンを食べてもらわなきゃ、
というわけで、ラーメン好きなら誰でも知っているはずの人気のお店「すみれ」へ。
中の島にあるこのお店は「純連」と書いて「すみれ」。もうひとつ「純連」と書いて「じゅん
れん」と読むラーメン屋さんもありますが、実は「じゅんれん」がお兄さん、「すみれ」は弟
さんが経営してるとか。どちらも行列ができるお店として全国的に有名ですよね。
「すみれ」に行くのは久しぶり。前はこじんまりしたお店でしたが、すっかりリニューアル
してキレイなお店に変身していました。
少し待ちましたが、8時を過ぎていたこともあってかスムーズにカウンター席に座ること
ができ、私はみそラーメン、友達は塩ラーメンを注文しました。
すみれのラーメンは麺を食べ終わるまでスープが冷めないのが特徴。こってり系が好き
な方ならきっと満足できるはず。友達も大満足の様子で、それまで旅の疲れでぐったり
していたのに、すっかり元気になっていました(^^)
よほど気に入ったらしく、友達は隣接する地方発送の窓口でお土産用のラーメンを購入。
新千歳空港の売店でも取り扱っているので、お土産を選ぶ際はこれを選択肢に入れる
のもいいでしょう。

おなかがいっぱいになった私たちが次に向かったのは、藻岩山の山頂。
広大な札幌の南に位置する藻岩山の展望台からは、美しい札幌の夜景を一望すること
ができます。
北海道の夜景といえば函館の夜景が有名ですが、札幌の夜景もひけをとりません。
むしろ札幌のほうがスケールが大きく、中心部のきらびやかなネオン、理路整然と並ぶ
住宅地の街灯、光の帯となって絶え間なく流れる車のライト・・・。ひとつひとつは取るに
足らない明かりかもしれませんが、それが集まると見渡す限りの光の海に。夜景こそは
市民が作り上げた最大級の芸術作品だと言えるのではないでしょうか(^^)
できることなら写真をお見せしたいところですが、私の未熟な腕ではキレイに撮れません
でしたので、ぜひぜひご自分の目で確かめていただきたいと思います。
札幌で育ったことも手伝ってか、私は藻岩山から見る札幌の夜景がいちばん好き。
東京暮らしが長い友達も、東京の夜景よりキレイだと感激していました。

山頂は冷たい風が吹きすさび、寒さにはそれなりに耐性があるはずの私も凍えてしまい
そう。熱いコーヒーを飲みたくなったので、藻岩山を下りた私たちは「たくんち」へ。
「たくんち」ことサッポロ珈琲館月寒店は、喫茶店めぐりを趣味とする私のお気に入りの
中でも、特にイチオシのお店。
お店にたどり着いたのは10時を過ぎた頃でしたが、平日は遅くまで営業しているので
のんびりダッチコーヒーとケーキをいただき、友達とゆっくりおしゃべり。旅の最後の夜に
ようやく落ち着いてコーヒーを飲むことができたような気がしました。
たくんちを出て国道36号線をひた走り、新千歳空港へ戻ってきたのはちょうど12時頃。
長旅で疲れていた私はすぐさまベッドにバタンキュー。早々と眠りに落ちてしまいました。


翌朝、友達は10時5分発の飛行機に乗って西の空へ。
それを見送った私は実家へ戻り、こうして長いドライブ旅行は幕を下ろしたのでした。