Are you going to Scarborough Fair:
Parsley, sage, rosemary and thyme.


これは有名なサイモン&ガーファンクルの『スカボロー・フェア』の冒頭の
歌詞。イギリス民謡をベースにして生まれたこの名曲は「パセリ、セージ、
ローズマリー&タイム」と4種の植物の名前を何度もリフレインしているの
ですが、「どうしてだろう」と不思議に思った方もいらっしゃるのではない
でしょうか。
実は、これらはイギリスでは代表的なハーブの名前。
「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム」というのはスカボローの市(いち)
でハーブを扱う商人の売り口上なんです。市の賑わいが何となく伝わって
くるような気がしませんか?
イギリスの庶民には、ハーブはごく身近な存在だったことを読み取ること
ができます。
『スカボロー・フェア』は数あるイギリス民謡の中でも特にお気に入りの歌。
スカボローの市へ行ったなら、あの人に伝えておくれ、昔本気で愛した
人なんだ、という歌なのですが・・・この歌の面白さについては、また別の
機会に触れることにしましょう。

さて、このコーナーでは、私のお気に入りのハーブを紹介しています。
ガーデニングなんて面倒という方でもハーブの栽培は簡単だと思いますし、
庭がなくても、ちょっとしたプランターで育てることもできます。
ハーブ専門店ではドライハーブを量り売りしているので、そういったお店を
利用すれば栽培する手間すら省けます。
ハーブの魅力は何と言っても、紅茶をはじめとして、料理、ハーバルバス
(ハーブのお風呂)、ポプリ、果てはハーブ染めまで、さまざまな形で利用
することができること。
紅茶やハーバルバスとして利用するだけならとってもお手軽で簡単です
から、あなたもハーブでアロマテラピーを実践してみませんか?


☆お気に入りのハーブ


カモミール Chamomile
効能・・・消化、鎮静、鎮痛、解熱、発汗作用があり、ひき始めの風邪に効果あり
花言葉・・・親交、仲直り、逆境に負けない強さ

カモミール(カモマイル)はキク科の植物で、一年草のジャーマン・カモミールと多年草のローマン・
カモミールに大別することができます。可憐な白い花を咲かせ、リンゴのような甘い香りが特徴。
消化不良やイライラ、不眠症によく効く他、風邪にも効果があるため、ヨーロッパでは古くから薬と
して用いられてきました。
ローマン・カモミールは芝生としても利用されていて、踏めば甘い香りが広がります。
カモミールは繁殖力が極端に強く、「踏めば踏むほど強くなる」と言われていることから「逆境に
負けない強さ」という花言葉が生まれたのかもしれません。
主な利用方法はやっぱりハーブティー。ちょっとクセがあるので苦手意識を持っている方も少なく
ないようですが、そんなときはハチミツを加えてお試しを。


マロウ Mallow
効能・・・気管支炎や呼吸器系の炎症に効果あり
花言葉・・・温厚、熱烈な恋

アオイ科の植物で紫の花を咲かせます。和名はウスベニアオイ。
上記の効能の他にも、大きな葉は火傷に効くらしく、また、その根は胃炎などに効くそうです。
咳や喉の痛み、口内炎にも効くので、風邪をひいたときに用いるとよいでしょう。
私はそんな薬効より、見た目の美しさに惹かれてハーブティーとして飲んでいます。
マロウの花をカップに入れてお湯を注ぐと、なんと、青い紅茶に。もちろんポットに入れて作るのも
よいのですが、見た目の美しさを楽しみたいのなら、透明なポットを使ったほうがよいでしょう。
何故なら、最初は青紫色なのに、やがて茶色に変わってしまうから。
でも、お楽しみはまだこれだけではありません。さらにこの紅茶にレモン汁をたらすと、今度は
ピンクに変わるのです。
マロウの花そのものには全く味がないので、私はハチミツを入れたり、他のハーブとブレンドして
楽しんでいます。
ちなみにマロウにはマーシュ・マロウ(ウスベニタチアオイ)という親戚がいます。この根っこを原料
にしたのがあの甘いマシュマロ。ご存知でしたか?


ミント Mint
効能・・・消化、強壮、殺菌、リラックス
花言葉・・・美徳、思い出

メントールを主成分とする清涼感漂う香りで知られるハーブで、歯磨き粉やお菓子などに使われて
いるので、口にしたことがない人はいないと言っても過言ではないでしょう。
シソ科ハッカ属の植物で数多くの種類がありますが、代表的なものはペパーミントとスペアミントが
挙げられます。ペパーミントはウォーターミントとスペアミントの交配種で、スペアミントと比較すると
クールで強い清涼感が特徴。他にもリンゴのようなやわらかい香りのアップルミントや、歯の色が
少し黒っぽくて、レモンミント、オレンジミントなどさまざまな異名を持つオーデコロンミントが、食用
ハーブとして用いられています。
また、歯の色合いが薄いペニーロイヤルミントは地を這う性質があり、防虫効果があるため、芝生
代わりに植えるのに適しているようです。
ペパーミントの和名はセイヨウハッカ。スペアミントの和名はオランダハッカ。
ちなみに、北見はかつて世界一のハッカの産地として知られ、世界のミント市場の70%を占めて
いました。
誕生花については諸説ありますが、一説によると私の誕生花はミントだとか。そのせいもあって、
ミントは私にとっていちばん身近で、いちばんお気に入りのハーブです。
いちばんお手軽な利用法はハーブティー。コーヒー党の私ですが、気分転換に飲みたくなるんです。
消化不良に効く他、寝る前に飲むとぐっすり眠れますよ。
お風呂に入れるのも効果的ですが、私はあまり試したことがなく、日頃はドイツ製のクナイプという
パスソルト(入浴剤)のミントを利用しています。