民俗音楽をサンプリングに使うユニットは今でこそさほど珍しくありませんが、グレゴリオ聖歌 を巧みに用いたエニグマの登場は当時かなり衝撃的でした。そのエニグマと双璧をなすのが、 フランスのミッシェル・サンチェーズとエリック・ムーケによるユニット、ディープ・フォレスト。 アフリカや東欧、中南米、マダガスカルに古くから伝わる歌や音楽とデジタルサウンドをうまく 融合させて、めまぐるしく変わりゆく現代にいつまでも変わらない何を呼び覚ます、素晴らしい 音楽を紡いでいます。 あまりにうまく融合させているので、CD屋さんが混乱してしまうのか、お店によってジャンルは まちまち。ハウスだったり、ニュー・エイジだったり、イージー・リスニングだったり。もしかすると ワールド・ミュージックとして扱っているお店があるかもしれません。探すのにひと苦労すること もありますが、枠にとらわれない魅力があるから、と都合よく解釈しておきましょう(^^) そもそもミッシェルとエリックがディープ・フォレストを結成するきっかけとなったのは、ユネスコ が保存している音源の中から見つけたピグミーの少女の歌声に衝撃を受けたから、だとか。 そのせいか、彼らの音楽には伝統音楽に対する畏敬の念のようなものが感じられるような気 がします。 どこまでも懐の深いディープ・フォレストの世界にぜひ耳を傾けてみてください。 深い森の奥に、あなたは何を見つけるでしょうか。 ☆DISCOGRAPHY
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